新品のタオルのふんわりとした柔らかさは、思わず顔をうずめたくなるほど心地よいものです。しかし、洗濯を繰り返すうちに、タオルは次第に硬くなり、使い心地も悪化してしまいますよね。
最初の柔らかさがどうして失われるのか、不思議に思うことはありませんか?
この記事では、タオルが硬くなってしまったときに、元の柔らかさを取り戻すために私が実践している洗濯のポイントを紹介します。
なぜタオルはふわふわになるのか?
ふわふわのタオルとごわごわのタオル、その違いは何でしょうか?
この差はタオルの製造過程にあります。
タオルの表面にはループ状の織り目があります。
これを「パイル」と呼びます。
パイルがたくさんあるタオルは、触るとその柔らかさが感じられます。
タオルの肌触りは、パイルを形成する糸の質や太さ、長さ、巻きの密度によって変わります。
例えば、ホテルでよく見る厚手のタオルは、長い毛足と密な織りで、パイルがクッションの役割を果たし、非常に柔らかく感じます。
しかし、ごわごわとしたタオルでは、パイルが平たくなってしまっているため、硬く不快な触り心地になってしまいます。
タオルが硬くなる9つの理由
洗濯物の過剰な詰め込み
洗濯機内で洗濯物を多く詰めすぎると、タオルと他の衣類が擦れてパイルが押し潰されます。これにより、生地が詰まり硬くなり、洗剤や汚れが十分に洗い落とされないこともあります。
残留する汚れ
体や顔を拭いた後のタオルには、しばしば石鹸や洗顔料が残ります。これらが完全に洗い落とされないと、繊維が硬くなり、タオル全体が硬化します。
洗剤の残留
洗剤や柔軟剤を多く使用しすぎると、すすぎが不十分な場合、タオルの繊維に洗剤が残ります。これが原因で繊維が正しく立ち上がらず、柔らかさが失われます。
過度な乾燥
タオルは適度な水分を保つことが柔らかさの秘訣ですが、過剰な脱水や長時間の乾燥は、必要な水分を奪い、タオルを硬くします。日光で長時間乾燥させると、繊維がさらに硬化する可能性があります。
不十分な脱水
適切な脱水が行われない場合、タオルのパイルが平らになり、柔らかさが損なわれます。
湿潤状態の放置
洗濯後のタオルを放置すると、湿った状態でパイルが押し付けられ、固まりやすくなります。また、この状態では雑菌が繁殖しやすく、繊維が損傷します。
ドラム式洗濯機の影響
ドラム式洗濯機では少量の水を使用して洗浄するため、パイルが押し付けられやすく、乾燥後にタオルが硬くなりがちです。
乾燥機の放置
乾燥機での乾燥後、タオルをすぐに取り出さないと、残った湿気が繊維に戻り、タオルのふんわり感が減少します。
タオルの自然な劣化
タオルも使用と洗濯の繰り返しで自然と摩耗し、繊維が損傷して硬くなります。使用頻度が高いものほど、劣化も早まります。パイルが減少して地の部分が見えるようになったら、新しいタオルへの交換時期です。
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ふんわりタオルを保つ16のコツ
洗濯ネットの活用
洗濯中に他の衣服との接触でタオルのパイルが潰れることがあります。衣服のボタンやファスナー、下着の金具などがタオルに接触すると、タオルが傷つく原因となります。理想的にはタオルは単独で洗うべきですが、実際には難しい場合が多いです。そういう時は、他の洗濯物と一緒に洗う際に洗濯ネットを使用すると良いでしょう。これによりタオルをしっかりと保護できます。
洗濯機の詰め過ぎを避ける
洗濯機に洗濯物を詰め込み過ぎると、摩擦が生じてタオルがダメージを受けます。さらに、洗濯物が密集していると、すすぎ時に洗剤が十分に洗い流せず、タオルが硬くなる原因にもなります。タオルを柔らかく保つためには、洗濯機には洗濯物を適度に入れ、空間を残すことが重要です。理想の量は、洗濯槽の約70%程度です。
洗剤の正しい使用量
洗剤を過剰に使用すると、十分にすすぎ切れずにタオルに残り、硬くなる原因になります。洗剤の量は、製品の推奨する使用量に従うことが大切です。
粉洗剤の適切な使用方法
粉洗剤はパイルに残りやすく、使用する際はきちんと溶かす必要があります。使用する前に洗濯機で洗剤をよく混ぜてからタオルを投入します。ぬるま湯を使用すると、粉洗剤はさらにきれいに溶けやすくなります。時間がない場合や簡単に扱いたい時は、石鹸カスが少ない液体洗剤の使用がお勧めです。
柔軟剤を使わずにタオルを柔らかく保つ方法
柔軟剤を使ってタオルを柔らかくしようとすると、逆に効果が得られないことがあります。柔軟剤は繊維をコーティングして滑らかにしますが、タオルの柔らかさはパイルがしっかり立っているかどうかに依存しています。
柔軟剤を使うと、パイルが立たず、繊維が水を吸いにくくなり、使用感が悪くなることもありますよ。さらに、柔軟剤を使うとパイルが抜けやすくなることがあります。そのため、タオルをふんわりと長持ちさせたい場合は、柔軟剤を使わない方が良いでしょう。
新品のタオルに柔軟剤は不要ですし、使い続けるうちにタオルが硬くなったとしても、10回に1回程度の使用で十分です。使用する際は、推奨量よりも少なくするのがコツです。
クエン酸でタオルの硬さを和らげる
タオルが硬くなった場合に柔軟剤の代わりにクエン酸を使う方法もあります。クエン酸は洗剤のアルカリ性を中和し、繊維が硬くなるのを防ぎながらタオルを柔らかくする効果があります。
クエン酸を使用する際は、最終的なすすぎ水40Lに対して小さじ1杯のクエン酸を加えると良いでしょう。ただし、クエン酸の使用量には注意が必要で、過剰に使用すると洗濯機が錆びる可能性があります。そのため、頻繁には使用しないようにしていますよ。
多量の水で洗濯する
洗濯時の水量が少ないと、すすぎが不十分になり洗剤が繊維に残りやすくなります。これがタオルが硬くなる原因の一つです。たっぷりの水で洗濯することで、繊維の奥までしっかりと汚れや洗剤を洗い流すことができ、洗濯物同士が擦れ合うのも防げます。これにより、パイルが損傷したり倒れたりするのを効果的に防ぎます。
しっかりとすすぐことの重要性
すすぎが不十分な場合、洗剤の残りや汚れが繊維に残ることが原因でタオルが硬くなります。節水を目的とした洗濯機設定では、すすぎの回数が少なく設定されていることがありますが、一回のすすぎだけではしばしば不十分です。
脱水時間の適正管理
洗濯機でタオルを速く乾かそうとして脱水時間を長く設定することがあります。しかし、過度の脱水はタオルのパイルを傷め、結果として硬くなる原因にもなります。
タオルを柔らかく保つためには、脱水時間を適切に設定することが必要ですね。
洗濯後の迅速な干し方
洗濯後のタオルは脱水により洗濯槽に密着した状態になります。この時点でパイルは圧迫されています。このまま長時間放置すると、パイルが倒れた状態で乾燥し、タオルが硬くなってしまいます。そのため、柔らかく快適なタオルを維持するためには、洗濯直後に速やかに干すことが推奨されます。
タオルを振って柔らかく保つテクニック
タオルを柔らかくふわふわに保つためには、乾燥する前にパイルをしっかりと立たせることが重要です。これを助ける方法として、タオルを干す前に両端をしっかりと持ち、大きく振り下ろしてパイルをほぐし空気を取り込む手法が効果的です。この動作を10回から20回繰り返すことで、乾燥時にタオルのふんわり感が増します。
手軽にパイルを整える方法
何枚ものタオルを振るのは体力的に大変です。より簡単にパイルを整える方法として、タオルを数回振った後にハンガーに掛け、手でパイルが倒れている方向と逆になで上げることです。この方法で簡単にタオルのふんわりとした質感を保つことができます。
半乾きの状態での再振り
タオルが完全に乾く前に再度軽く振ることで、よりふんわりとした質感を実現できます。半乾きの状態で振ることにより、空気をより多く含ませて、仕上がりを良くすることができます。
乾燥機を利用した柔らかい仕上がり
乾燥機をお持ちの場合は、タオルを少し湿った状態で乾燥機にかけ、60℃で約10分間乾燥させると良いでしょう。この温風がパイルに空気を含ませて立ち上げることで、タオルがふんわりと仕上がります。
日光による乾燥への注意
タオルを長時間直射日光にさらすと硬くなることがあります。ふんわりとしたタオルを目指す場合、風通しの良い日陰での乾燥が最適ですよ。外干しをする際は他の洗濯物よりも早めに取り込むことが望ましいです。
タオルの丸めての収納方法
乾燥後のタオルは通常折りたたんで収納されますが、折り目によってパイルが潰れてしまうことがあります。タオルを丸めて立てて収納すると、パイルが潰れることなくふんわり感を保つことができます。
まとめ
タオルの洗い方や乾燥方法を少し変えるだけで、仕上がりの質感に顕著な差が出ます。完璧に新品の状態に戻るわけではありませんが、ふんわりとした感触を大いに改善することができます。
ただし、質が薄いタオルや使い込むことでパイルが短くなったタオルは、いくら丁寧にケアしてもふんわり感を復元するのが難しい場合があります。
このため、タオルのふわふわを長く保つためには、定期的に新しいタオルへの買い替えや、質の良いごわごわしにくいタオルを選ぶことも重要ですね。