犬を新しく家族として迎えた場合、地方自治体への登録は欠かせません。
特に犬を初めて飼う方にとって、手続きの流れがわからず戸惑うことも多いですよね。
日本では「狂犬病予防法」に従い、犬の登録が法的に義務付けられています。この法律に違反した場合、最大で20万円の罰金が課される可能性があるため、注意が必要です。
登録手続きを適切に行うことで、法的なトラブルを回避することができます。
さらに、2022年6月からは、ペットショップやブリーダーから購入した犬にはマイクロチップの装着が必須となりました。この変更により手続きの内容も少し異なってきますので、最新の情報をお伝えします。
今後犬を飼う際に必要な手続きについて、詳しく解説していきます。
新しい家族、犬の正式な登録手続き(マイクロチップ非装着時)
新しく犬を家族に迎えた際には、地方自治体に登録することが必要です。
登録は市区町村の指定する窓口で行います。子犬の場合は生後91日から120日の間、成犬の場合は飼い始めてから30日以内に手続きを完了させる必要があります。
手続きは、動物病院や動物愛護センター、区役所、集合注射の会場など、市が指定する場所で行えます。どこで登録できるのかは居住地によって異なるため、事前に調査することが大切です。
申請書は各窓口または市区町村の公式ウェブサイトから入手でき、飼い主の氏名、住所、犬の名前、犬種、性別、生年月日を記入して提出します。
犬の登録は通常、一度きりですが、引越しや犬の譲渡などがある場合は、登録の更新が必要になります。
登録料金は3,000円で、手続き完了後に「鑑札」と呼ばれる登録証を受け取ります。この鑑札は犬の首輪に取り付けておくことで、迷子になったときに役立つ証明書となります。万一、鑑札を失くした場合は、有料で再発行を受けることができます。
マイクロチップ付き犬の正式登録方法
令和4年6月から、動物愛護法が改正され、ペットショップやブリーダーを通じて販売される犬や猫には、マイクロチップの装着が義務づけられました。
この変更により、ペットショップやブリーダーから購入した犬には、必ずマイクロチップが装着されています。もしマイクロチップが装着された犬を家庭に迎えることになった場合、購入後30日以内に飼い主情報を更新し、登録する必要があります。
この手続きは、日本獣医師会が指定するマイクロチップ登録機関で行いますが、ペットショップやブリーダーからの代行サービスも利用できることがあるため、購入時に確認すると良いでしょう。
登録は公益社団法人日本獣医師会のマイクロチップ登録申請システムを利用して行うことができます。
また、引っ越しやその他の理由で住所やその他の登録情報に変更があった場合、登録事項の変更手続きを行う必要があります。この手続きはオンライン、郵送、FAX、またはEメールで行うことができ、オンライン申請の手数料は300円、紙申請は1,000円です。また、登録証明書の再交付手数料はオンラインで200円、紙申請で700円です。
マイクロチップについての詳しい情報は、「マイクロチップの義務化について―犬にとっての影響と法的規定」の記事でご確認いただけます。
マイクロチップでの登録により犬の再登録が不要になる場合も
マイクロチップを利用した登録や情報更新を行うことで、一部地域では狂犬病予防法に基づく登録の免除が適用されることがあります。その結果、地域によっては犬の再登録が不要になる場合があります。
マイクロチップが犬鑑札の役割を果たすことで、別途犬鑑札の交付や装着が不要になります。ただし、これは地域によって異なるため、具体的な登録要件は居住地の市区町村で確認する必要があります。
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狂犬病予防注射済票は別途必要
狂犬病予防注射を受けた際には、「予防注射済票」の取得が必要です。これは犬の登録とは別の手続きであり、予防接種を受ける際には必ずこの証明を受け取る必要があります。また、毎年行われる狂犬病予防注射でも同じ手続きが求められます。
さらに、ペットショップやブリーダー以外から犬を受け取る場合、マイクロチップの装着は義務ではなく推奨される努力義務とされています。
狂犬病予防ワクチンの必要性とスケジュール
狂犬病の予防接種は、生後91日を超えた犬に義務付けられています。毎年4月頃には、犬の登録を行った市区町村から予防接種の案内が送られてきます。
主に集団接種が行われますが、日程が合わない場合や注射が苦手な犬は、個別の病院で接種が可能です。かかりつけの獣医師と相談すると良いでしょう。
接種費用は「狂犬病注射済票」交付手数料を含めて約3,000円から4,000円で、接種後には新しい「注射済票」が発行されます。この「注射済票」を「鑑札」と共に犬の首輪に取り付けてください。
狂犬病以外にも犬用ワクチンは多種多様です。
犬の登録がなぜ必要か
犬の登録は、万一狂犬病が発生した場合に迅速に対応するために必要です。1950年に制定された狂犬病予防法以前、日本では狂犬病が多くの犬と人に苦痛をもたらしていました。狂犬病は非常に危険で、感染した場合の死亡率はほぼ100%です。
狂犬病予防法により、ワクチン接種、犬の登録、野良犬の管理が義務付けられ、日本では短期間で狂犬病が根絶されました。しかし、世界的にはまだ多くの犬と人が狂犬病で亡くなっており、日本人が海外で感染する事例もあります。
そのため、予防接種と登録は今でも重要で、海外からの狂犬病侵入を防ぐために必要です。登録は忘れずに行うようにしましょう。
犬の登録を怠った場合のリスクとは?
犬を飼う際、正しい登録を行わないとどんな問題が起こるか見てみましょう。
狂犬病予防法では、犬の登録を怠った場合、最大20万円の罰金が課せられることがあります。この法律は、犬の登録、予防接種の違反、隔離措置の無視、口輪未装着や繋留指示違反など、さまざまな違反に対して罰則を設けています。
登録されていない状態で犬が狂犬病に感染すると、非常に重大な問題が生じます。また、ペットホテルを利用する際にも、予防接種の証明が必要ですから、注射済票がないと利用できない場合があります。
飼育に必要な手続きとその重要性
犬を飼育する際には以下の手続きが必要です:
犬の登録
狂犬病の予防接種
注射済票の取得
2022年6月からは、ペットショップやブリーダーから購入する犬にマイクロチップの装着が義務化されました。この変更は登録プロセスにも影響を与えるため、注意が必要です。
犬を飼う権利と共に、適切なケアと管理の義務も伴います。犬の登録や年間の予防接種は飼い主の重要な責任であり、これを怠ると犬にとって不幸な結果を招きます。犬を迎えたら、これらの義務をきちんと果たしましょう。