「御座います」と「ございます」のどちらを書けば正しいのか迷ったら、一般的な文章やビジネスメールでは「ございます」を選ぶのが無難です。
ただし、「御座います」は辞書にも見られるため、単純に誤字とは言い切れません。
この記事では、両者の意味や文法上の使い方、「ありがとうございます」などの表記、ビジネスメールでの選び方まで整理します。
公用文では「ございます」自体を避ける場合がある点も紹介するので、文章の種類に合った表記を選びたい人は判断基準として活用できます。
御座いますの漢字表記と使い分けは「ございます」が基本

「御座います」と「ございます」で迷ったら、現在の一般的な文章では「ございます」と平仮名で書くのが使いやすい選択です。
ただし、「御座います」という漢字表記そのものを、日本語として存在しない誤字だと決め付ける必要はありません。
大切なのは漢字の多さではなく、読み手が自然に理解できる表記を選ぶことです。
「ございます」と平仮名で書くのが現在は無難
メールや案内文など、日常の実用的な文章では「ございます」を選ぶと迷いにくくなります。
たとえば仕事中にメールを書き、「こちらの商品で御座います」と入力したところで、「漢字のほうが丁寧なのかな」と手が止まることがありますよね。
そんな場面では、わざわざ漢字に直さず、「こちらの商品でございます」と書けば十分です。
「ございます」は「あります」より丁寧な言い方として使われるため、接客やビジネスの文章にもなじみます。
「在庫がございます」「担当の田中でございます」のように、必要な場面で平仮名表記を使えば自然です。
漢字を増やせば改まった印象になるとは限らず、むしろ文字面が重くなって読みづらくなることもあります。
文章の丁寧さは、「御座います」と漢字にすることではなく、言葉遣い全体で整えると考えると判断しやすくなります。
「御座います」は誤字ではないが積極的には使わない
一方で、「御座います」を見つけたからといって、すぐに誤字だと判断するのも正確ではありません。
小学館系の辞書では、「ございます」の漢字表記として「御座います」が見出しに使われています。
つまり、漢字表記には辞書上の根拠があるものの、現代の文章で積極的に選ぶ必要はないという整理が分かりやすいでしょう。
「御座いますは完全な間違い」と覚えてしまうと、辞書上の扱いと食い違うので注意が必要です。
また、「御」と「座」はどちらも常用漢字ですが、それだけで「御座います」と書くべきだとは決まりません。
文化庁の資料でも、常用漢字で表せる言葉を読みやすさに合わせて仮名で書く考え方が示されています。
「漢字で書けるか」と「その場面で漢字にしたほうがよいか」は、別の問題として考えるのがポイントです。
ビジネスメールで迷わない「ございます」の使い方

ビジネスメールでは、「ありがとうございます」「おはようございます」「在庫がございます」のように、基本的に「ございます」と書けば困りません。
挨拶から商品案内まで同じ考え方でそろえられるため、文章を作るたびに漢字表記で悩む時間も減らせます。
ここでは、よく使う表現と「ございます」の文法上の役割を整理します。
「ありがとうございます」「おはようございます」の正しい表記
取引先への返信で「有難う御座います」と入力し、「こちらのほうが丁寧に見えるかな」と迷う場面は珍しくありません。
こうした挨拶では、「ありがとうございます」と平仮名中心で書く形が使いやすい表記です。
文化庁の公用文に関する資料でも、「有難う」は「ありがとう」、「お早う」は「おはよう」と仮名で書く例が示されています。
挨拶文なら「ありがとうございます」「おはようございます」と書けば、漢字を重ねる必要はありません。
- ありがとうございます
- ありがとうございました
- おはようございます
文字数が多いメールほど、漢字を増やすより一目で意味を追える文章のほうが読み手の負担を抑えられます。
「丁寧にしたいから漢字にする」という発想ではなく、すでに丁寧な表現になっているかを確認すると迷いません。
「在庫がございます」など文法に合った使い方
「ございます」には、大きく分けて二つの使い方があります。
一つは「ある」を丁寧にした用法で、「在庫がございます」のように物や案内の存在を伝える場合です。
もう一つは、「担当の田中でございます」や「ありがとうございます」のように、別の語に続いて丁寧な表現を作る使い方です。
どちらの用法でも、実用文では「ございます」と平仮名で書けば意味はきちんと伝わります。
たとえば問い合わせへの返信なら、「在庫がございます」とすれば、単に「在庫があります」と書くより丁寧な印象になります。
ただし、文章全体を必要以上に改まった表現で埋める必要はありません。
勤務先や媒体に独自の表記ルールがある場合は、一般的な書き方より社内の基準を優先します。
ルールが特に決まっていなければ、「ございます」にそろえると表記の揺れを防ぎやすくなります。
「御座います」と「ございます」の意味は同じ

「御座います」と「ございます」は、基本的に意味が異なる別の言葉ではありません。
違うのは主に表記で、現在の文章では平仮名の「ございます」を選ぶのが分かりやすい使い方です。
辞書では「ございます」に、「ある」を丁寧にする使い方と、ほかの言葉に続いて丁寧さを加える使い方が示されています。
「ある」の丁寧語として使う場合
「ございます」は、「ある」をより丁寧に伝えたい場面で使えます。
たとえば「在庫があります」を丁寧にすると、「在庫がございます」となります。
ほかにも「空席がございます」「ご案内がございます」のように、何かが存在することを丁寧に伝える場面で自然に使えます。
午後に取引先への返信を書いていて、「まだ在庫があります」と伝えたいものの、少し事務的に感じることもありますよね。
そんなときは「在庫がございます」とすれば、内容を変えずに丁寧さを高められます。
「あります」と「ございます」の違いは、物の有無ではなく丁寧さにあります。
そのため、「御座います」と漢字に変えたから意味が変わったり、さらに敬意が高くなったりするわけではありません。
丁寧さを上げたいときに注目するのは漢字表記ではなく、「あります」と「ございます」のどちらを選ぶかです。
補助動詞として使う場合
「ございます」は、単独で「ある」という意味を表す場合だけでなく、ほかの言葉に続いて丁寧な表現を作る場合にも使われます。
代表的なのが、「田中でございます」や「ありがとうございます」です。
このような使い方では、「ございます」を一字ずつ漢字の意味に分解して理解する必要はありません。
ひとまとまりの丁寧な表現として考えると、使い分けがぐっと分かりやすくなります。
「御座」という語自体には、辞書で貴人の座席や貴人がその場にいることなどを表す名詞としての意味も確認できます。
また、現在の「ございます」は、歴史的には「ござる」や「ござります」とつながる語形です。
こうした背景があるため、辞書に「御座います」という漢字表記が載っていても不思議ではありません。
ただし、語源に漢字表記が関係していることと、現代のメールで漢字を使うべきかどうかは別問題です。
現代の実用文では、意味を正しく伝えながら読みやすさも保てる「ございます」を基本にすれば迷いにくくなります。
公用文では「ございます」より「です・ます」を使う

公的な文章では、「御座います」と「ございます」のどちらにするか以前に、そもそも「ございます」を使わず「です・ます」で簡潔に書くという考え方があります。
文化庁が示す一般向けの解説や広報の方針では、「です・ます」を基調とし、「ございます」は用いないとされています。
民間の接客メールとは基準が異なるため、文章を出す相手と目的を見て使い分けます。
一般向けの解説や広報では「ございます」を避ける
2022年に示された「公用文作成の考え方」では、一般の人に向けた解説や広報などについて、分かりやすい文章を重視しています。
その中では文末を「です・ます」にすることを基本とし、「ございます」は用いないという方針が示されています。
たとえば「受付はこちらでございます」と丁寧さを高めるより、「受付はこちらです」としたほうが簡潔です。
「資料がございます」も、内容によっては「資料があります」と書けば十分伝わります。
公用文では、丁寧な言葉を重ねることより、読み手が一度で理解できる表現を選ぶことが優先されます。
役所のお知らせをスマートフォンで読んでいるとき、長く改まった表現が続くと肝心の内容を拾いにくくなるものです。
公的な広報で「ございます」を避ける考え方は、こうした読み手への配慮ともつながります。
そのため、公用文を作る場合は「ございますにするか、御座いますにするか」という二択だけで考えないことがポイントです。
「あります」と「ございます」は文章の目的で使い分ける
「ございます」は「あります」より丁寧な表現ですが、丁寧であればあるほど、どんな文章にも適するわけではありません。
接客や取引先へのメールでは、「在庫がございます」「ご用意がございます」といった表現が自然に使われます。
一方、不特定多数の人が読む案内や公的な広報では、「あります」「です」と簡潔にするほうが目的に合う場合があります。
| 場面 | 使いやすい表現 | 考え方 |
|---|---|---|
| 民間の接客 | 在庫がございます | 丁寧な応対を重視する |
| 取引先へのメール | ご案内がございます | 相手との関係に合わせて丁寧にする |
| 一般向けの公的広報 | 資料があります | 簡潔さと分かりやすさを重視する |
迷ったときは「最も丁寧な表現」を探すのではなく、その文章を読む人にとって自然かどうかで判断します。
この基準を持っておけば、「ございます」を使うべき場面と、もっと簡潔にしたほうがよい場面を切り分けやすくなります。
御座いますの漢字表記と使い分けで迷ったときの結論
「御座います」と「ございます」で迷ったら、一般的な文章やビジネスメールでは「ございます」を基本にすると覚えておけば十分です。
「御座います」は辞書にも見られる表記なので一律に誤字とはできませんが、漢字にしたから敬意が高まるわけでもありません。
読みやすさを優先し、「ありがとうございます」「おはようございます」「在庫がございます」のように平仮名で書くと自然です。
公的な一般向けの解説や広報では、さらに簡潔な「です・ます」「あります」を選ぶ考え方も押さえておきましょう。
迷ったときに基準としたいのは、漢字で書けるかどうかではなく、その場面で読み手に伝わりやすいかどうかです。
特別な表記ルールがなければ「ございます」に統一し、文章の目的に応じて「です」「あります」へ簡潔にする。
この使い分けなら、メールを書くたびに「御座いますのほうが丁寧なのかな」と迷う必要はありません。
